複合文化論系演習(文化人類学学説史)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(文化人類学学説史)
プログラム
文化人類学
授業タイプ
演習
担当教員
山本まゆみ
曜日
月曜日
時限
5時限
教室
32-229
授業シラバス
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授業概要

 近代という時代は、現在に至る価値観を生み出し、その価値観を先鋭化した時代であったが、本授業の中心となる、人類学も近代という時代が生み出したものであった。特に、現在に通じる人類学の系譜は、ダーウィンの進化論の影響を受け、「進歩」という近代に充満したキータームを理論化した形で、19世紀半ば人間の起源を探究する学問として創生された。
 本授業では、創世記から現在にいたるまでの人類学の主要な理論を、学生が主体となるアクティブラーニングの形式のひとつである、クラス発表とディスカッションを中心に、理解していく。

授業計画

1: 第1回
オリエンテーション:本講座の目的と概要、授業の進め方の説明

2: 第2回
人類学誕生期の学際と社会・文化進化論:タイラー、モーガン

3: 第3回
人類学理論の体現と人類学者の賞賛と批判:パリ万国博覧会

4: 第4回
ポストコロニアリズム理論の先駆者:サイード『オリエンタリズム』

5: 第5回
オリエンタリズム分析から見えてくるもの:松田京子『帝国の視線』

6: 第6回
時代を読み解く――オリエンタリズム分析の可否:坪井正五郎『うしのよだれ』、Boas, Franz “Museum of Ethnology and Their Classification”, Science 9. Pp. 587-89.

7: 第7回
文化相対論:ベネディクト『文化の型』  中間レポート提出

8: 第8回
ギアツの挑戦?:「文化相対論、反文化相対論、反―反文化相対論」

9: 第9回
神話から見えてくるもの:レヴィー・ストラウス“The Story of Asdiwal”

10: 第10回
構造主義の力:容易な自己の理解―女性学

11: 第11回
人類学者の自己批判:『文化を書く』

12: 第12回
ポスト・構造主義の限界:ニコラス・ダークス

13: 第13回
繰り返しから創造される「真実」1:ギアツ『ヌガラ』

14: 第14回
繰り返しから創造される「真実」2:ブルデュー『実戦感覚』

15: 第15回
まとめ  期末レポート提出