複合文化論系演習(開発人類学)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(開発人類学)
副題
文化人類学と開発
プログラム
文化人類学
授業タイプ
演習
担当教員
小田島理絵
曜日
水曜日
時限
2時限
教室
33-439
授業シラバス
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授業概要

 本授業では、様々な文化社会において推進された開発、進行中の開発の在り方に関する文化人類学研究の講読、発表、議論を通して、よりよい社会づくりに関する考えを深めていく。また今日までに進歩、発展の概念が移り変わりを遂げてきたように、人類学と開発の関わり方も変化を遂げてきた。立案者的立場、査定者的立場、自身を含めた開発へのすべての関与者の政治性を考慮に入れながら社会づくりへの参加を目指す立場など、多岐化する現代の文化人類学と開発との関わりについても学んでいく。

授業計画

1: 第1回 オリエンテーション
本講義の概要、目標、目的について説明する。また人数に応じた発表、議論グループの編成を確認していく。

2: 第2回 講義 開発の思想と変遷
近代化理論から持続可能な発展へと移り変わってきた開発の思想について述べていく。

3: 第3回 講義 文化人類学と開発
文化人類学者と開発の関わり方の移り変わりについて述べていく。

4: 第4回 講義 都市化と人々の暮らし
都市化がどのような考えに基づいて行われ、人々は新しい都市空間でどのように生活を築き、問題をとらえてきたのかについて述べていく。

5: 第5回 発表 都市化と人々の暮らし
受講者が文献講読に基づいた発表を行う。

6: 第6回 議論 都市化と人々の暮らし
文献講読から浮かび上がる疑問や論点をもとに、都市化を促した思想、よりより都市生活の未来について小グループで議論していく。

7: 第7回 講義 持続可能な発展、オリエンタリズムとエコツーリズム
持続可能な発展という考え方の誕生と成立の背景について確認し、その発展の方法論の一つとされる新しい観光の在り方について述べていく。

8: 第8回 発表 持続可能な発展、オリエンタリズムとエコツーリズム
受講者が文献講読に基づいて発表する。

9: 第9回 議論 持続可能な発展、オリエンタリズムとエコツーリズム
文献講読から浮かび上がる疑問や論点をもとに、持続可能な発展、新しいツーリズムの在り方について小グループで議論していく。

10: 第10回 講義 貧困とコミュニティ
国際的開発援助機関においてもっとも重要な課題とされる貧困であるが、それが生じる現代的環境について述べていく。

11: 第11回 発表 貧困とコミュニティ
受講者が文献講読をもとに、現代の貧困、貧困が生じる環境について発表していく。

12: 第12回 議論 貧困とコミュニティ
文献講読から浮かび上がる疑問や論点をもとに、脱却すべき貧しさとはどんなものであるのか、どのような社会にどのような方法が有効となりえるのかを小グループで議論していく。

13: 第13回 講義 現代の取り組み:公共性と人類学
市民が自らよりよい社会づくりに積極的に乗り出そうとする今日、人類学者は開発やよりよい社会づくりに今日どのように関与しているのか、あるいは関与しようとしているのだろうか。人類学において社会関与が問われている背景について述べていく。

14: 第14回 発表 現代の取り組み:公共性と人類学
受講者が文献講読を基に、市民・人類学者それぞれの社会への関与の在り方について発表していく。

15: 第15回 議論 現代の取り組み:公共性と人類学~まとめ
文献講読から浮かびあがる疑問や論点をもとに、自らの社会関与について考えを深めていく。